
お知らせこの記事はマクロの分岐の書き方完全解説テンプレートとして使えるコードを紹介の関連記事です
条件分岐とループを組み合わせたコードを紹介_Ifのネスト&For
If~ThenステートメントのネストとFor~Nextステートメントを一緒に使ったコードを紹介していきます。
まとめ記事で使っているデータシートをもとにしたコードを紹介します。任意の都道府県が書かれてるセルから末尾を調べて同じ文字を隣のセルに入力するという作業です。
まとめ記事では単数のセルに回答を用意するコードでしたがここでは複数のセルに結果を返すために繰り返し処理を用いたコードを使います。

「ここを押さえると理解が進む」というポイントが何点かあるので紹介していきます。

この記事でわかる事
今回はシンプルに1つです。If~ThenステートメントのネストとFor〜Nextステートメントの組み合わせについて勉強します。
If~Thenステートメントのネストと
For~Nextステートメントの
組み合わせ

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条件分岐のまとめ記事です。If~Thenステートメントのネストを含め4つの条件分岐についてコードを用いて解説しています。ネストの説明もしていますので分からない方は一読願います。
繰り返し処理
繰り返し処理について解説しています。今シリーズで使用しているFor~Nextステートメントの解説もしております。
繰り返し処理と条件分岐の組み合わせ
セルの情報をもとに実際のコードを使って解説していきます。
If~ThenのネストとFor~Nextステートメントの組み合わせ
出来るだけシンプルな型を用意しました。この型で基本を身につけましょう。
構文
実際に仕事をコードに落とし込む時は変数、始点、終点等の要素に数値が入っていないと分かりにくいです。ここではあくまで配置として覚えてください。
For 変数 = 始点 to 終点
If 条件A Then
条件A=True
Else
If B Then
条件B=True
Else
If C Then
条件C=True
Else
全ての条件に合致しない時の処理
End If
End If
End If
Next
考え方の基本となるところだけ解説しておきます。大外にFor~Nextステートメントが配置されます。For句からNext句までをループする事になります。
ループの中ではループの回数と同じだけIf~Thenステートメントの処理が実行されることになります。
今回はネストを使用しています。赤色の条件分岐の結果次第で青、もしくは緑色の条件分岐構文に処理が移動していきます。
毎回同じ条件で分岐を確認しても結果は同じです。ループの都度異なる条件を設定出来る様変数を使った仕掛けを組み込みます。以降で具体的なコードを用いて解説することにします。
使い方
セルには以下のような情報が記入されています。D列の各行から末尾1文字を確認しE列の各行に末尾を入力するというコードを紹介します。セルE5~セルE14に文字が入ります。


画像に対応したコードです。
Sub 条件分岐と繰り返し4()
Dim r As Long
For r = 5 To Cells(Rows.Count, 4).End(xlUp).Row
If Right(Cells(r, 4), 1) = "都" Then
Cells(r, 5) = "都"
Else
If Right(Cells(r, 4), 1) = "道" Then
Cells(r, 5) = "道"
Else
If Right(Cells(r, 4), 1) = "府" Then
Cells(r, 5) = "府"
Else
If Right(Cells(r, 4), 1) = "県" Then
Cells(r, 5) = "県"
Else
Cells(r, 5) = ""
End If
End If
End If
End If
Next
End Sub
解説
実行するとセルE5からセルE14まで漢字が1文字ずつ入力されます。セルE7が「都」、セルE13が「府」。残りは「県」です。
3行目でDimから始まるコードは変数の宣言です。ここで宣言された変数はコード内で変数として使用出来ます。
続いて5行目のコードです。変数に値を代入するというコードです。始点は5ですが終点は見た事無いコードが書かれていますね。これは最終行を取得する為のコードです。
変数と最終行を取得するコードについて分からない方はリンクを用意しておきましたので必要に応じて確認ください。
これでリストの最終行を取得する事が出来ます。今回のリストの配置からすると終点は14という数値を得る事が出来ます。
続いて変数の解説です。For句で使われている変数rは各If~Thenステートメントの中でも使われています。
大外のFor句で繰り返し処理が行われる事で各If~Thenステートメント内では毎回異なるセルを選択出来るようになります。変数rが活躍してくれます。
コードの流れ
通常通り上から実行されます。7行目で末尾は「都」ですか?と確認しています。一致していれば9行目のコードが実行されることになります。
一致しない時は残りのIf~Then句を通過します。先程は例で「都」の説明をしましたが実際は最初の値は沖縄県です。25行目のステートメントでTrueとなり27行目のコードが実行されます。
セルに用意された文字の末尾が選択肢にかからなかった時はElseに進みます。ここでは空欄になる様に設定していますが「値無し」などセルに文字を返しても良いです。
最後にループの解説です。41行目のNext句の後変数rは5から6に変化します。
その後7行目から再びIf~ElseIfステートメントを通過しながら必要に応じてE列のセルに値を記入するという作業が進んでいきます。

課題
他の条件分岐のステートメントとコードの量は多くなる事で階層が分かりにくくなってきます。「理解してないと読みにくい」というのが課題です。
ただしセルに直書きする関数のIf文を理解されている方からするとこのステートメントの方がしっくりくるはずです。今までは横に書いていた関数をVBAの作法で縦書きしただけの違いです。
私はSelect CaseステートメントやElseIfステートメントよりIf~Thenステートメントのネストの方が分かり易かったです。最初は皆様各自が分かり易かったものを使われるのが良いでしょう。
まとめ
If~ThenステートメントのネストとFor~Nextステートメントを一緒に使いました。
フォーマットとして使える様に出来るだけシンプルな型を用意しましたのでそのままコピペしてご自身でコードを実行してみてください。(セルの内容は面倒ですが再現してください)
If~Thenステートメントのネストと
For~Nextステートメントの
組み合わせ

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